清水 伶

  • 絵画
  • 映像
  • ドローイング
絵具は、再現を阻むノイズである。
それを用いて描けども、キャンバスへイメージを定着するにはあまりにも作家の意識や手癖が入り込み、写真や映像メディアでのドキュメンタリーに比べると随分と正確性に欠けることになる。つまり、絵具で描かれたものはフィクションであり、疑うべきなのである。

ノイズとは何か?例えばかつて主流であったVHSテープのそれのように、映画鑑賞のひとときを邪魔する存在。しかしそれは瞬時に鑑賞者をストーリーから引き剥がし、冷静に作品を見つめ直す時間を与えてくれるものでもある。描かれていたものは本当に自分が受け取っていたようなものであるのか?作品に映っている事象や事件、問題を疑い見つめ直すことを促すのだ。

絵具をノイズと捉え描かれる私の絵画は、像を正確に写し取ることを目的としない。したがって被写体は大きく歪み、参照元が判別しづらいほどに抽象化される。むしろ大切にされるのは、その描かれるものよりも描くプロセスにあり、即興的に構築することで作家のフィルターを通した問題提起を試みている。

疑え、見つめ直せ、熟考せよ、と訴える絵画は、作家である私ですら信じるなと言っているかもしれない。


2001年より企業広告やミュージックビデオなどの映像ディレクターとして多くの作品を制作。2018年より絵画表現を中心とした美術家としても活動を開始。

個展

2022年 COUNT DOWN、haco – art brewing gallery –(東京)
2020年 GLITCH、リグナテラス東京(東京)

グループ展

2022年 IAG Artists Selection 2022 池袋回遊派美術展、東京芸術劇場(東京)
2022年 IAG Artists’ Small Works, 自由学園明日館(東京)
2021年 Independent Tokyo 2021、東京ポートシティ竹芝(東京)
2021年 FOCUS LONDON、FOLD Gallery London(ロンドン)
2021年 IAG AWARDS 2021、東京芸術劇場(東京)
2020年 SPIRAL INDEPENDENT CREATORS FESTIVAL 21、スパイラル(東京)
2020年 Dream ‒ On the Road to Basel、ART FAIR FRAME(バーゼル)
2019年 UNKNOWN ASIA Art Exchange Osaka 2019、グランフロント大阪(大阪)
2019年 FRAME 2019 International Contemporary Art Fai(パリ)

受賞歴

2021年 IAG AWARDS 2021、入選
2019年 UNKNOWN ASIA Art Exchange Osaka 2019、レビュワー賞
2019年 ARTMOVE Japan Art Competition vol.24、入選
2008年 SHORT SHORT FILM FESTIVAL & ASIA 2008 NEO Japan
2008年 DIGITAL SHORT AWARD vol.1 Election
2006年 SHORT FILM CONTEST C’s NEXT vol.2 Survive.8

Human Evolution 5

  • 油彩
  • アクリル
  • 着古した衣服

制作年
2023年

サイズ
縦23cm x 横16cm


Human Evolution 6

  • 油彩
  • アクリル
  • 着古した衣服

制作年
2023年

サイズ
縦146cm x 横97cm


作品

Human Evolution 5

制作年
2023年

サイズ
縦23cm x 横16cm

Human Evolution 6

制作年
2023年

サイズ
縦146cm x 横97cm